サイトについて
地域密着の不動産会社に勤務していました。現在は他業界に勤めるしがないサラリーマンですが、今まで得た知識を役立てたいと思いこのサイトを開設しました。これから土地を購入される方への良いアドバイスとなれば幸いです。
当たり前ですが、土地はとても高額です。ただ高級自動車や建物などの耐久消費財とは異なり、基本的に使うことで価値が下がるものではありません。要は、単に建物を建築する為の場所ということだけでなく、同時に自分たち家族にとって、預貯金などと同じ大切な資産でもあります。
買ってから大きく値段が下がった。住んでいる間はなにも変わりませんが、もし売ることになった場合は、家族の資産の残額、その後のライフプランが大きく変わってしまいます。
ですので、購入しようとしている土地の価格が妥当かどうか。(市場価格にあったものであれば、耐久消費財ではありませんので、買って次の日に売っても理屈上は同じ値段のはずです。ただ買い手あっての取引ですので、タイミング、運によって価格は前後します。)それをきちんと確認する必要があります。
土地価格を自分で確認する方法にはいくつかあります。まず一つは、国や都道府県が毎年発表している「公示地価」または「地価調査」と比較してみることです。二つ目は国税庁が毎年発表している「路線価」を確認すること。そして三つ目は物件の周辺で成約した土地の成約データを確認してみることです。土地の成約データに関しては、国土交通省が運営する「土地総合情報システム」やレインズと呼ばれる全国の不動産流通機構が運営する「レインズ・マーケット・インフォメーション」、その他民間企業が運営する各ウェブサイトなどで確認することが出来ます。(ただ民間のものは、国や都道府県などが発表するデータの転載または、データを見やすい様に加工したものがほとんどです。)
一つ目の価格は基本的に実勢価格ですので、そのまま比較することが出来ます。ただこれは三つ目と同じですが、当然比較したい物件(土地)と「公示地価」「地価調査」「土地の成約データ」などとは、場所が少なからず離れており、駅や街区などさまざまな土地価格を左右する条件が異なります。ですので当然、その比較には注意が必要です。二つ目の「路線価」については、実勢価格の約8割程度の価格になっていますので、実勢価格になるように割り戻しが必要です。ただ「路線価」は町をくまなく網羅していますので、相場を確認したい土地の特定の価格が確認でき、比較も不要です。
なお他に、自分では出来ませんが、不動産会社に依頼すると、価格査定をしてもらうことが出来ます。これについては、決められたフォーマットに基づき、近隣の土地の成約データを元に比較法で、価格を出してくれます。ただこのサービスについては、基本無料ですが、通常は土地を売却したい売主さん向けのものになりますので、全ての不動産会社が対応してくれるかどうかは分かりません。
いづれにせよ、購入前の土地価格の相場確認は必須です。とくに人口減少傾向の日本では、土地の価格は大きくみると下落傾向にあり、また人気のある場所と人気の無い場所での価格差がいっそう激しくなっています。郊外や不人気の場所の土地は安く買えても、次売りたい時に値段がつかないということも珍しくはありません。しっかり価格を確認する他、ある程度、購入のニーズが常にある場所かどうか、難しく言えば、流通性が高いかどうかも確認することをおススメします。これは不動産会社さんに聞くのが一番です。
(以下2022年2月14日追加)
また、購入しようとしている土地の現在の価格を相場と比較する以外にも、土地の価格がどのように変化しているかを確認することも大切です。前述のとおり、土地は消耗品ではないので価格が急に大きく下落することは考えにくいですが、需要が減れば価値は徐々に下がっていきます。一生に何度もない大きな買い物ですので、資産として長く持ち続けることも考え、資産価値が下がりにくい土地を選ぶことをおすすめします。
過去10年の公示地価の推移を見てみると、東京都や神奈川県、愛知県などの都市部では上昇傾向にあるものの、大阪府や京都府は横ばい、その他の都道府県では下降傾向にあります。また、上昇傾向にあった都市部でさえも、新型コロナウイルスの拡大の影響を受けた2021年は地価が下落。社会・経済の情勢も土地の価格相場に大きな影響を及ぼしていると言えます。
ただ、都道府県全体で見れば下降傾向にあったとしても、エリアによっては需要が高まっていることもあります。不動産会社さんに行けば、地元の土地相場の変動や人気のエリアなど詳しい情報を教えてくれるので、一度足を運んでみると、ネットで調べても見つからなかったような情報に出会えるかもしれません。