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地域密着の不動産会社に勤務していました。現在は他業界に勤めるしがないサラリーマンですが、今まで得た知識を役立てたいと思いこのサイトを開設しました。これから土地を購入される方への良いアドバイスとなれば幸いです。

落とし穴に注意!(2024年2月8日更新)

落とし穴に注意!(2024年2月8日更新)

土地を購入する際は、実は様々な落とし穴があります。マンションや中古一戸建てなどを購入する時に比べて、断然トラブルの事例が多く、発生する確立も高くなっています。すごく嫌な言い方になって申し訳ないのですが、事実なのです。なぜ多いのか、それは目に見えないことが多いからです。ですので、土地を取引するプロである不動産会社も見落としやすく、また実際に土地を購入してからでないとどうしても分からないこともあるからです。ここではそれらのトラブル事例を元に注意すべき落とし穴について、主なもの5つを例に挙げて、ご説明します。

1.土地の前の道路は、何道路?

建築基準法では、建築基準法で定めるいくつかの種類の道路に該当していないと建築確認を下ろさないという決まりがあります。言い方をかえれば、前面道路の種類によっては、土地を買っても建物が建てられないということです。その道路の種類には、6種類あります。1.第42条第1項1号道路:国や都道府県、市町村などが所有する道路のことです。(但し国などが所有している場合でもこの道路に該当しないこともありますので、注意が必要です。)2.第42条第1項2号道路:都市計画法、土地区画整理法などによって作られた道路のことです。3.第42条第1項3号道路:建築基準法が施行される前からあった道路のことです。4.第42条第1項4号道路:都市計画道路などで、2年以内のその事業が執行されるものとして特定行政庁が指定したものです。5.第42条第1項5号道路:特定行政庁から指定を受けた私道。いわゆる位置指定道路のことです。6.第42条第2項道路:建築基準法が施行される前からあった道路で、幅員が4m未満の道路のことです。(建築の際、自分の敷地を削って道路にするセットバックが必要です。)
それら6つのいづれかに該当する必要があり、もしそれ以外の道路である場合には、建築できるかどうかを役所と協議する必要があります。(もちろん協議しても建築出来ない場合があります。)また建築基準法では、道路との接道(土地と道路が接している部分)が2m以上必要と定めています。

2.土地の前の道路は誰のもの?

前面道路が建築基準法で定めらられている道路であることが分かれば、一安心ですが、また違う心配もあります。それは、だれがその道路を所有しているかです。国や市などであれば、特に問題はありません。道路の管理もやってくれますので、たまに文句を言うぐらいで、何もする必要はありません。しかしどこかの会社や個人が持っているとちょっと話がややこしくなる場合があります。その道は歩いてもいいのか、車で通過してもいいのか、インフラを引くために掘削してもいいのか…、など何か制限が無いかを確認する必要があります。

3.水道やガス、下水などのインフラは?

土地を買って、当然家を建てる場合には、水道やガス、下水などのインフラが必要です。それが土地に引込まれているかどうか。または前面道路に埋設されていて、すぐに引き込みが出来る状態かどうか。確認が必要です。もし前面道路に埋設がない場合は、基本的には自費で長い距離を引込みする必要があったり、もしくは引込みそのものが不可能ということもあります。またそれらのインフラが私設のこともあり、その場合は所有者に許可を得たり、使用に当たり、イニシャルコストやランニングコストがかかることもあります。あと、すでに引込みされている管があっても口径が細すぎたり、管が鉛の場合は、引込み直しが必要な場合があります。引き込みがあるか?口径は?管の種類は?などしっかり確認して下さい。

4.インフラはどこから来ている?

前述のインフラについて、前面道路から引込まれている場合が多いですが、たまに隣の土地を通って引込まれている場合も実は珍しくありません。その場合は、隣地の所有者の了解や承諾料、または建築の際は、異なる場所から再度引込み直しなどが必要になる場合があります。それらインフラについてどこを経由して引込まれているのかも確認する必要があります。

5.地盤は大丈夫?

土地の上に建物を建てる際は、当たり前ですが、土地はそれら建物をしっかり支える為の強度が必要です。地盤によっては、軟弱でそれが難しく、地盤改良や基礎や杭を深いところにあるしっかりした地盤まで入れる必要が出てくることもあります。土地の購入前に、地盤について調査しておく方が無難です。所有者の許可が取れれば、費用はかかりますが、購入前に地盤調査を行うことも出来ます。また周辺の地盤調査結果などを知ることで、おおよその予測を付けることも出来ます。もし事前にその調査が難しい場合は、予め建築予算の中に地盤改良費用などを入れておくことをおススメします。

6.敷地境界線を確認しましたか?(2019年7月12日追加)

土地のトラブルで多いのが敷地境界線に関することです。ニュータウン内の物件は境界線が基本的に明確ですが、昔からある土地では境界が曖昧なことが多く、トラブルもよく起きています。例えば、実は家の庇が隣の敷地に越境していた。上下水道管、ガス管が隣地を通っていた。塀や擁壁を補修しようと思ったら隣地からクレームが入った等・・・。境界線が曖昧な場合、境界を明確にすることが大切で、土地家屋調査士に依頼し「境界立会い」を行います。隣地所有者と関係書類を元に現地で境界を確認し、後日、作成した図面・書類に署名捺印し保管します。
もし土地を購入するにあたり、候補の土地が出た場合は、境界の確認を行っているかどうかを不動産会社に確認しましょう。権利証がある、図面があるから安心とは言えません。実際に現地で境界標があるかの確認も忘れずに。境界標はコンクリートなどで作られた杭のことで、十字や矢印が頭に刻まれています。(境界標は設置しても工事や被災などにより失われることがあります)まだ境界の確認が終わっていない土地であれば、確認を行うことを契約の条件にすることも一つです。なお、境界標は法律で守られています。
[刑 法]
(境界損壊)
第二百六十二条の二 境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識することができないようにした者は、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
境界に関して困りごとがある場合、相談の窓口があります。
1.筆界特定制度
法務局の筆界特定登記官が筆界を特定する制度で、登記記録に残ります。法務局や土地家屋調査士が窓口になります。
2.土地家屋調査士会
紛争を解決する裁判外紛争解決手続の制度です。境界問題相談センターは、土地家屋調査士と弁護士が運営しており、トラブルの解決のサポートを行います。土地家屋調査士会が窓口になります。

7.建物を建築する際、法律等による規制はどうなっている?(2020年1月31日追加)

住環境の保全、安全性・居住性の確保のため、法律によってさまざまな制限や基準が設けられています。 購入した土地に想定していた家が建てられないということが起きないように、事前に 建築基準法・都市計画法などの法律の確認が必要です。また条例などによる規制もあります。それらの確認は市町村の役所、建築指導課などで確認が可能です。どんな規制を受けることがあるのか、その一例をご紹介します。
(例1)風致地区内の場合、道路から建物を2m後退して建てる。緑地率30%にするなど。
(例2)崖条例の場合、2mをこえる擁壁を造作する。または、崖の高さの2倍以上の長さ、崖から建物を離して建てる。
(例3)防火地域内の場合、耐火建築物か準耐火建築物にする。
(例4)景観地区内の場合、住宅の外観について町家風の和風外観で日本瓦葺きにする。
(例5)第一種低層住居専用地域内の場合、低層の戸建てや集合住宅で、店舗・事務所兼用住宅は、非住宅部分が50平方メートル以下かつ建築物の延べ床面積の2分の1未満にする。
(例6)まちづくり協定内の場合、ゲームセンターや麻雀屋、パチンコ店等の風俗営業・風俗関連営業の用途の建築物は建築ができない。

8.敷地の周囲に崖はありませんか?(2020年9月29日追加)

土地の周囲に崖がある場合、まずその崖が安全なものなのか確認が必要です。建築や土木の専門家の方に現地を確認していただくことをお勧めします。その他、『崖条例』が適用されないかどうかの確認も必要です。この『崖条例』は通称ですので、自治体により呼び名が異なっています。「2mまたは3mを超える高低差があり、30度を超える傾斜をなす土地」を崖と見なすことが一般的です(自治体により規定が異なります。)。対象の土地が崖下にある場合は、基本的に、崖の上端から、崖の高さの2倍に相当する距離以内の位置には建物を建築することができません。ただし、下記の場合は規制が緩和されます。

(1)崖の崩壊により、建物が滑動、損壊、転倒、沈下しない構造であると認められた場合
(2)崖の崩壊による土砂流入に対して、建物の居室の安全性が確保されていると認められた場合
(3)擁壁の設置により、崖の崩壊が発生しないと認められた場合
(4)地盤が強固であり、崖の崩壊が発生しないと認められた場合

擁壁の設置などの対応には多大な費用が発生する場合が少なくありませんので、土地の購入前に崖条例が適用されないか、またされた場合、どれぐらいの費用がかかるのかを確認する必要があります。

8.建築条件が付いている?(2021年1月30日追加)

不動産情報を集めていると、建築条件付きの土地が見つかることがあります。建築条件とは、施工する建築会社が指定されていたり、建築プランを決めるまでの期間が限定されていたり、購入後の土地に対して売主が指定した条件のことで、その条件の通りに家を建てる義務が生じます。ゼロから家を設計して自分好みの家を造ることができる建築条件なしの土地と違い、プランを選べるとはいえ建売住宅に近い性質を持つことから「売り建て住宅」とも呼ばれます。建築条件付き土地を選ぶメリットとしては、条件が付いている分、地域や広さが似た条件の土地に比べて割安で購入できる可能性が高いことが挙げられます。一方で、建築条件なしの土地に比べて、間取りや内装の自由度が下がるので、特殊な工法・特別な設備を求める場合は、建築条件付き土地は避けるべきです。また、決められた期限内にプランが決まらず請負契約を結べなかった場合、売買契約が白紙になる可能性があります。基本的には違約金は発生せず、手付金等を支払っていた場合は返金されますが、「手付金の返金に応じない」等の解約条件が付いた契約の場合は返金されませんので、契約の際には契約書の内容をよく確認する必要があります。

9.古家付き土地って?(2024年2月8日追加)

物件情報サイトなどで土地探しをする際、現況が「更地」のものと「古家付き」のものがあります。「古家付き土地」とは、土地の上に、前の建物が残っている状態の土地のことを指します。ここで注意すべきは、現況(古家付き)のまま引き渡しなのか、更地渡しなのか、ということです。更地渡しの場合は、売主にて建物解体したあとの引き渡しとなりますが、現況(古家付き)のまま引き渡しの場合は、買う側が建物の解体費用を負担する必要があります。建物が建っている状態で引き渡しを受けてから、建て替えをするために、自分で一度更地にするということです。建物の解体費用については、建物の構造や広さ、立地条件によって異なりますが、数十万〜数百万見ておく必要があります。一般に、木造より鉄筋コンクリート造などの強固な建物のほうが費用が高くなり、また、建物の延べ床面積も広いほどコストがあがります。また、前面道路が狭く重機が入れない、廃材を搬出する車両が入れない、といったことや、高低差が大きく特殊な重機が必要などとなると、その分コストはあがります。古家付き土地を購入する場合は、必ず建物解体の費用がどのくらいかかるか試算しておきましょう。たとえば解体費用が200万円かかるとしたら、3000万円の古家付き土地は、実質3200万円の更地の土地と同様になる、ということです。

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